演奏会報告
ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団
パーヴォ・ヤルヴィ指揮
オールベートーヴェンプログラム
バレエ音楽「プロメテウスの創造物」序曲
バイオリン協奏曲
交響曲第3番「英雄」
ソリスト:諏訪内晶子
東京オペラシティ
このブログで何回か取り上げているこのコンビ。演
奏会にやっと行けました。昨年に続き、今年もオール
ベートーベンのプログラムを引っさげている彼らです
が、別に手抜きというのではなく、「ベートーベン・プ
ロジェクト」なるものがあるから。このプロジェクト
は、解説を読んでもイマイチなところは、あるけども、
僕が読み取ったところでは、プログラムの中核にベー
トーベンを置き、彼から出発していった音楽や彼が影
響を受けた音楽を彼のフィルターを通して見ていこう
というもの…違うかな。
そんなわけで、日本を皮切りとしたワールドツアー
の初日に行ってきました。曲は、最初に挙げたとおり。
思ったもの以上のもの、思ったよりは?なもの、
いろいろとありましたが、ご報告します。
画像は、ドラマとかでも使われる階段。
「プロメテウス」から。正直、興奮してしまって、
これといってうろ覚えなんですけども、統率感や緊張
感は一番あったのではないでしょうか。周りの人たち
が踊りだせば、僕も一緒に踊ってたと思います。
ごめんなさい、次いきます。「バイオリン協奏曲」で
す。ソリストの諏訪内晶子の演奏を生で聴くのは今回
が初めて。この曲はハイフェッツの演奏ぐらいしかCD
でもちゃんと聴いていないため、というか、苦手な部
類に入るため、かなり頑張りました。彼女の演奏は、
ハイフェッツの録音ほどではないのですが、音の艶っ
ぽさと乾いた音質が、見事でした。ドイツ・カンマー
フィルは、古典奏法を主体にしているオケですが、彼
女の演奏は、ロマン派奏法の部類。ビヴラートをかけ
まくり、レガートを多用。しかし、これが二楽章のカ
ンタービレで泣けてくるのです。正直、ドイツ・カン
マーフィルの奏法は、古典奏法といえど、そこまで徹
底しておらず、ロマン派奏法との良いとこ取りをして
いる印象でしたけども、それにうまくあっているので
す。ヤルヴィの指揮は、叙情をなるべく排除した、い
わばトスカニーニの流れを汲むものと思われるのです
が、それでも、歌わせるときは歌わせる。そこに彼女
の演奏が乗ってくるとどうなるか。メリハリがついて、
より歌が気持ちよく聴こえてくるのです。
で、最後に「英雄」です。1楽章の最初の方から、ク
ラリネットにベルアップをさせていたのにはびっくり
でしたけども、テンポが速い上、緊張感を作るのがと
てもうまく、心地よい疲れを感じさせてくれました。
途中、各楽器のバランスが?なところがあったけど、
そういったのもライブならではなんて、ポジティブな
考えを持たせる彼らは一体何者!? みたいな…。今回、
一番印象に残ったのが、2楽章のオーボエ。ご存知、2
楽章は葬送行進曲。その物悲しいメロディを奏でるの
は、ノンビヴラートでなくてはいけません。かけない
ことで、より葬送感が増してくる。その後、転調して、
長調っぽいところ(スコアが手元にないため調がわか
らず)、で初めてビヴラートをかけてくるところなんか
は、ぐっときました。
CDで聴くのとテンポは変わらないけども、CDより
も、はっきりと聴こえてくるヴァイオリンやヴィオラ
のキザミの音は、お見事でした。他がどんなに美しい
メロディを聴かせてもキザミを入れることで、厳格な
構成ができ、それがベートーベンらしさなんて、耳に
したことがありますが、それを堪能できた演奏会とい
えます。
しかし、やはりバランスに難がある。これは、編成
の問題があって仕方ないのかもしれけないけども、メ
ロディが埋もれてしまっていたように聴こえたのが何
よりも残念。明日に期待です。
そんなわけで、明日のレポートをお楽しみに。
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