やっと見つかった
最近、探している本がやっと見つかった。とは、いっても
別段、本屋で探していたわけではない。自分の部屋で、だ。
わざわざ言うことではないし、こんなことを書けば、大概、
想像できるだろうけど、僕の部屋は汚い。というか、僕の
名誉のためにいうと物があふれていて、どうしようも片付かない。
テレビとかで収納の名人が来て、リビングなどをとても
綺麗にしているのを見るけど、僕の部屋はたぶん、お手上げ
だろうな、と一人でほくそえむのも隠れた楽しみのひとつ。
まぁ、そんなことはかんけいないんだけども。
そんな部屋でここ、一ヶ月ほど探していたのが
ロマン・ロラン著「ベートーヴェンの生涯」(岩波文庫)
小さいからすぐにいなくなってしまう。
この前、モーツァルトのハフナーについて、ちらりと書いた
けども、考え直すきっかけとなったCDが
クルト・ザンデルリンク指揮
シュターツカペレ・ドレスデン演奏
の、日本ライブ盤。
ドイツ音楽はこうやるんだ、という見本みたいな演奏で、
偉そうにハフナーはなぁ、上品すぎるんだよなぁと言って
いた人間が、さっさといや、いい曲ですと言ってしまった。
これについては、前回のブログを参照してください。
で、ハフナーの後に入っていたのが、ベト8。
何回か話題に取り上げているけども、僕はやっぱりこの交響曲が、
ベートーヴェンの中でもとりわけ好む。
ただ、好んでいるだけではなく、名著といわれるような本で、
賞賛されていたら嬉しいな、心強いなと思い、探していたのです。
やっと見つかりましたよ。まさか、あんなところにあるなんて…。
で、早速引用します。
「悲劇がふざけと溶け合い、勇士ヘラクレスのような力強さが
幼な児の無邪気な遊戯と軽やかな気まぐれとに溶け合っている」
どうです?ちょいと意味が分かりにくいやもしれませんが、
よく読んでみると、この交響曲には5つのものが表現されている
と書いてあります。
悲劇、ふざけ、力強さ、無邪気な遊戯、軽やかな気まぐれ
ほとんど音楽に求められるものほとんどだと思いませんか?
ふざけは喜劇に通じるものがあるし、
力強さは音や構造に圧倒される
無邪気な遊戯、軽やかな気まぐれは実は力強さを支える大切な
要因です。これらがなければかなり重いと思わざるを得ない。
しかもロマン・ロランはこの特徴は、ベートーヴェンに当てはまる
と指摘している。この指摘に従えば、ベートーヴェン自身を
表現した音楽が、交響曲第8番ということになります。
たとえ、ちびでも、貧乏でも、かっこ悪くても、耳が聞こえなくても、
女に振られても、
これだけのものを残せれば良いなと一瞬でも考えてしまう。
そしてこれだけの賛辞を得られれば、芸術家冥利に尽きるのではないか。
とはいえ、やっぱり背は高くて、お金持ちでかっこよいのにも
憧れてしまうけども。
最後のたとえ、の後につなげた5つの言葉は、
最近読んだ丸谷才一の随筆集「青い雨傘」(文春文庫)に引用されていた
谷川俊太郎の詩をちょいとパクッてみた。
実際はこんな書き方じゃないけども、
にやりとさせられる面白い詩です。
そのあとでハッと考えさせられてしまうところもあったりしますが。
それについては丸谷才一が解説をしてくれています。
丸谷才一の文章も含蓄があって、楽しめます。
ロマン・ロランから離れてしまったけども、
文章を通じて読む音楽というのも、乙なものですな。
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